俺を好きな影に甘美あり!


「 玲、俺見て 」

首を振りながら見ようとしないから、俺はこの方法を選んだ。

「 玲!」

「 は、はいっ」

俺は玲の名を強めに呼び、俺から逃げないよう頬を包み込み、キスをした。

柔らかいな… 玲の唇。

そっと、唇を離して玲の目をしっかり捉えて言った。

「 俺の返事、わかった?」

「 は… い、わかったかも… 」

「 かも?それじゃ困るな 」

「 え…… っ!!」

俺はもう一度キスをした。
言葉を聞きたくないなら口で伝える他の方法なんて これしか思いつかない。

不思議なもんで、玲にはわからないだろうけど、キスひとつするにもかなり気が張るし緊張するんだ。

男だから、顔にはだせないだけだ。

キスで伝わる気持ちが一気に熱くなる。

好きなんだって自己確認した俺は、玲から離れたくないと思ったんだ。