「香穂!お弁当食べよ」
「うん!じゃ、行きますか!」
お弁当をもって階段を登る。
ーーガチャ
開けるとキィーと音がなるドアを開けると綺麗な空が顔を出す。
「お昼を食べるならここだよね!」
「うん!青春って感じする」
「ねー!」
香穂が持ってきたシートを引いてそこに二人並んでお弁当を食べる。
これがあたしたちの日課。
誰も来ないから、本当いい場所なの。
「うわー香穂のお弁当美味しそう!」
「なに言ってんの。美羽の方が完璧弁当じゃん!これ自分で作ってるんでしょ?」
「まぁね」
「さすが!美羽だわ。手放したくないなぁ〜」
「なに言って!ずっとそばにいるしっ!」
「ふふ。そーだね、でも…。美羽耳かして?」
言葉通り耳を貸すと、香穂が小声で言う。
「なっ!」
「美羽真っ赤〜」
「誰のせいだと思ってんの?」
「私です」
“でも、悠真くんの彼女になったら私から離れていくでしょ?”
って言われたんだ。
こんなこと言われたらさ、冗談だってわかってるけど真っ赤にだってなっちゃうよね。

