「みーう!1時間目美羽の嫌いな数学だよ」

HRが終わり、すぐ私の席にやって来た香穂。

私が苦手なの知っててこう言ってくるんだから。

「頑張りますよーだ!てか、宿題忘れた!」

「あらら」

「お願い!写させて!」

「白状したらいいよ?昨日何があったか」

「だから、なんでもないって!」

「だって、美羽が宿題し忘れるとか珍しいじゃん?」

「全然っ。この前だって忘れてたし」

「まぁ、いいや」

なんだかんだ言ってもピンチの時は助けてくれる。

「ほーい!」

上からノートが差し出され、それを受け取りノートに写し始める。

「しっかし、悠真くんの席はすごいね。みてよ、あの女子の数」

チラッとノートから悠真くんの席を見ると、凝視してしまう。

「わー」

「ほら、見惚れてないで。ノート!」

「あ、うん」

「終わったぁー」

全部写し終わり椅子におっかかる。

「よかったじゃん、間に合って」

「本当。ありがと、香穂」

「いーえ!じゃ、チャイムなるから行くね〜」

「はーい!まだチャイムなってないけどはじめるぞー席につけー」

そんな先生の言葉に悠真くんの周りにいた女の子たちが「えー」と言いながら席に戻る。