「よかったね、悠馬くんと話せて」
今の私にはそんな香穂の言葉は入ってこない。
だって、だってさ。
私、悠馬くんに美羽って呼ばれたんだ…。
そう思うと顔が、かあぁぁと赤くなる。
手を頬に当てる。
室内が暑いのかわからないけど、すごく顔が熱かった。
「うっ!美羽!」
「えっ?!」
不意に名前を呼ばれ、はっとする。
「なに?」
「なにじゃないわよ!悠馬くんと大接近だねっ!」
「でも、やばいよ…心臓が壊れそう」
「まさか、ここで働いてたなんてなんて。ね、美羽?ってやばいゆでダコだよ?」
ゆでダコ…って。
わたし、そんなに真っ赤?!
「信じられないなら、はい。これみればすぐわかるから!」
そう言われて前を見ると、鏡が開いててそこに写っていたのは真っ赤な顔をした私の顔だった。
「わっ!これ私!?」
「そうでーすー」
そうですって…
これやばいよ。
はやく元通りにしなきゃ!

