(仮)イケメンくんに恋をした


「さっきから百面相してどうしたんだ?」

「え、いや。あ!そうだ。デ、デザート頼もうと思うんだけど悠馬くんのオススメってなに?」

「え……」

「わ、私なにか…」

「悠馬くんって…飯田俺の名前知ってたんだ?」

人気者で私の憧れの人だからなんて言えないし。

「あ、当たり前じゃん!同じクラスだしさ」

「そうだよな」

「悠馬くんって呼んじゃ駄目だった?」

「いや、悠馬って女子には呼ばれたくねぇけど」

「じゃあ「まあ、飯田だけは特別に悠馬って言うの許してやるよ」

「え?ウソ?!」


本当に?!


「嫌ならいいけど?」

「嫌じゃない!呼ばせてもらいます!」

「なんで敬語?」

「なんでだろ?」

自分でも分からなくて首をかしげる。

「ま、いいや。じゃ、俺は美羽って呼ぶわ」

「ぇ、え?私の下の名前…」

驚きすぎて声がつまりそうだった。

「俺だって知ってるに決まってんじゃん!」

にカっと笑う悠馬くんにノックアウトされそう。

なんでわたしなんかの凡人の人の名前を知ってるのか不思議だったけど、名前を知っててくれたことと呼んでくれたことで胸がいっぱいになってそんなことを気にする暇もなかった。

「イチゴパフェ」

「へっ?」

「俺のオススメ」

忘れてるかと思った。


「じゃ、それで」

「かしこまりました」

笑顔でそう言って奥に消えてしまった。