その人は私のテーブルまで来た。
――ドキドキッ
「なんすっか?」
声を聞いてもっと高なる胸。
「いや、この子が悠馬の事ずっと見てるもんだから知り合いかなとおもってな」
お兄さんが言うこの子と言うのは私で。
「あ、え、こんにちは!」
「え?って君、同じクラスの…飯田?」
「えぇぇ!!名前しってたの!?」
心の声がびっくりして出ちゃった!
「あーいっつも先生に怒られてるから、覚えるって」
白い歯を見せて笑う彼にあたしの胸がまた鳴りだした。
やばい、これはやばい。
心臓が壊れるんじゃないのってくらいバクバク言ってる。
「飯田?」
いきなり悠馬くんが私の顔を覗きこんできてびっくりして顔をあげる。
そしたら、バチッっと目があった。
――ドキッ
その瞬間今までで一番大きいく鳴った。
“目があった瞬間、ドキッとしたらそれはその人が好きってことだよ”
「え?」
脳裏にさっき言われた香穂の言葉がぱっと浮かんだ。
これってまさか、私悠馬くんに…
いやいや!

