「どうしたの?」
「いたいたっ!迷子になったかと思ったよ。それより、こっちとこっちどっちがいいと思う?」
香穂が両手に持っていたのはピンクで花柄のスキニーと水色のパンツ。
「どっちでもいいんじゃない?」
「ちょ!真剣に選んでよ!」
「じゃあ~、スキニーかな。香穂は足細いしスキニーいいんじゃない?」
「そう?じゃ、スキニーにしよ!美羽はなににした?」
「ワンピ!とトップス買おうかな~って迷い中」
「そっか!じゃ、私が選んであげる!美羽にとびっきり似合うのをさっ!」
「ぷっ。なにそれ!明日私デートみたいじゃん!」
「悠真くんと~?」
ニヤニヤ私の顔を見てくる。
「香穂、きもち悪い…」
「ひどっ!まぁそうなる日はそうそう遅くはないかもね!」
「だ・か・ら!悠真くんは今関係ないの!」
「はいはい。お静かに!みんな美羽のほうみてるよ?」
そういう言葉にまわりを見てみると買い物してる人の目線は私たち…いや、私に向いていた。
ギャーーーーーーーー。
これって私の大嫌いな場面だよ~っ。
恥ずかしくなって香穂の後ろに隠れる。
あたし子供みたいだ…。
でも、それくらい周りの視線って苦手なの。

