そこには、黒いスーツに茶髪の、細い目をした人がにこにこと立っていた。 どうしよう……と強張っていると 「俺、この上の昇華って店で働いてるんだけど」 え? って事は…… 同じお店の人だ! 捕まえなきゃ。 突然の行動にその人がびっくりすぐるらい、私は一気に彼の隣へ駆け寄って、お店で覚えた小悪魔スマイルで見上げた。 「私、冬弥に逢いに来たんです!」