その言葉には返事をせずに、従業員口へ向かう。 「冬弥~今日遅かったね」 にこにこと笑うその太陽みたいな笑顔は……反則だって。 だけど、今の俺なら分かる。 お前の手は、女しか抱けない。 どうせ店に来る前も、この後も、好みの女を抱くんだろ? あの、切ない顔で。 ……その姿を思い出すと、少しだけ胸が痛い。