俺は……本当は優亜の店で働きたいって思っていた。



何もしらない高校生がホストになんてなれる筈ない。



分かってはいたけれど、なんとか食らいついて行きたいと思っていた。



「あ、まぁ……一応」



だけど言えるかよ。




本人目の前にして「ついて行きます!」なんてさ。



だから適当に濁した俺に、



「そっか。残念……。スカウトしようかと思ったんだけどまぁ、ホストじゃ嫌だよな」



気にするな、と笑いながら優亜がそう言った瞬間、コーヒーを持つ手がガタガタと震えた。



今の



幻聴じゃないよな。



……まさか。