相変わらず何も存在しない静かな部屋。 「まずは二人とも、お帰り……と言ってやりたいが」 「何か?」 怪訝そうに眉を顰めるのは冬弥。 「ちょっとだけ席を外しなさい!」 これまで優しそうな雰囲気を醸し出していたお婆さんは突然声を荒げる。 私にだって、自分が戻ってきて今後どうなるのか分からない状態。 隣にあった隠し部屋のような所へ彼をあっという間に押し込めると……私はお婆さんと二人になった。