【冬弥SIDE】




再び、新宿2丁目。



「それは無しだろ……」



「どうしたのぉ?冬弥ちゃん」



「ちゃんを付けるな」



「はいはい」



別に大して気にした風でも無く、首をすくめると譲二は他の客の男へ愛想を振りまきに行った。



譲二なら分かってくれるだろうから……悔しいから逆に言えるかよ。



好きな男が、俺の目の前で恋に落ちた……なんて。