彼女の世界が変わらぬ理由


「あたしはやらない方がいいと思う。たいした物は造れないから」


小湊を見て言う。

彼女は他の女子たちを諫めながら、不思議そうな顔をした。


「どうして? みんな素人みたいなものよ?」

「そういう意味じゃない。あたしには才能がないから」

「…よくわからないけど、下手でもいいんだから。一人五個を目標に作るから、よろしくね」


有無を言わせないような笑みを浮かべる小湊に、マリアは仕方なくうなずいた。

どこかに所属するということは、こういうことだ。


「小湊は甘いよ」

「あの人にはもっと厳しく言わないと」

「そうそう。変わり者なんだから」


文句を言う友人たちの背を強引に押し、小湊は「じゃあお先に」と美術室を出ていった。

静けさが教室に戻ってくる。