彼女の世界が変わらぬ理由


それからその少女は毎日美術室に来た。

そしていつも黙ったまま、外を見ていた。

みんな外で雪合戦をしたり、そりで雪山を滑って遊んだりしているのに、彼女はいつも一人だ。

十夜も人のことは言えないのだが、少女がクラスに馴染めていないのかと同情もした。

少女は始終口を閉じっぱなしで愛想はなかったが、十夜が描く絵には興味を持っていたようで。

美術室にある絵の具で勝手に絵を描く十夜の横で、じっとスケッチブックを眺めていた。

十夜はそれに悪い気はせず、彼女が好きそうな、例えば飼育小屋にいるウサギの絵なんかをかいてやったりした。

それから時折、口を開かない少女は笑顔を見せるようになり。

十夜は彼女の笑顔が見たくて、絵を描くようになっていた。