不思議だった。
責めるつもりはまったくないが、彼が人の絵を真似て描き、それをコンクールに出すような人間には見えない。
「あの…。あたしは別に、迷惑はかけられてませんし、謝らないでください」
「森山くん。柚木さんはキミの絵をこのまま出展すればいいと言ってくれたよ」
「俺の絵を? なぜ?」
「あなたの絵は素晴らしいって、中村さんがおっしゃっていたから。なんていうか…もったいないじゃないですか」
「でもあの絵は…」
「いいんです。あの絵は元々、あたしのオリジナルでもないですから」
森山は眉をひそめた。
よく見れば、鼻筋が通っていて、目はくっきりとしたアーモンド型で、整った顔立ちをしている。
メガネを外して、髪をもっときちんとすれば、かなり男前になる気がした。
「じゃあ…誰のオリジナルなんですか」
当然の質問に、マリアは笑った。



