彼女の世界が変わらぬ理由


「柚木くん。キミが盗作じゃないと言っても、向こうは認めてしまっているんだよ」

「でもあたしが違うと言えば大丈夫ですよね。審査員の方は、中村さん以外知らないことなんでしょう?」


マリアの問いに、中村は頷く。

安東は納得がいかないような顔で黙り込んでいる。


「どうか、その人の絵に、相応の評価をお願いします」


もう一度深く頭を下げた。

その時応接室に、ノックの音が響いた。


「柚木さん。あなたの考えには私も賛成なのですがね。相手方にはどうやらそのつもりはないようなのですよ」


中村の言葉に顔を上げる。

飛田はマリアの肩に手を置き、微笑んだ。


「彼は盗作を認めて、キミに謝りたいと言ってるんだ」

「え…」

「どうしてもと言うのでね。今日一緒に来てるんだ。…どうぞ、森山(もりやま)くん」


中村の声に、後ろの扉がゆっくりと開かれた。