恋箱。






「ちょっとトイレ行くね~」


そう声をかけて席を立った。


ちょっと飲みすぎたかな??ふらふらしてるかも。


トイレの壁は薄いみたいで酔っ払ったマナの声が聞こえてくる。喜んでくれてるみたいで良かった。


そう思いながらトイレを出ようとしたトキ……。



「それにしてもあやホントに来るとはね~」





体がこわばった。

そればアタシの知ってるマナの声じゃない。小さい頃のいじめっ子達の声だ。



「今日の飲み代かなり出させてるんでしょ?悪い奴」


この声はマナの隣にいたレンジの。



「だってお金あんまりなかったんだもん。でもあやなら出すって思ったよね、セイラ?」


「思ったより簡単過ぎてつまんないけどね」


「まぁね~金の為じゃなかったら誘ってないし」