恋箱。



深夜。



−カランカラン−


ニズムの扉は乾いた音を立てて開いた。



「こんばんは~あの、マナと待ち合わせしてて」


そう言うと入り口のホストに変な……何か裏があるような笑い方をされた。


バカにされてるみたいでなんか感じ悪い。




「マナちゃんの友達ね~聞いてるから!どうぞ~」



この店は昔のジゴロっぽいのがコンセプトだそうで、なんだかリーゼントで怖い系の人が多い。


葵はニガテ。


茶髪でサラサラでキレイなまぁいわゆるビジュアル系がアタシの好みだった。




遠くでセイラの笑い声が聞こえる。


「あ~あやだぁ。お久~!!」

「セイラも元気そうじゃん??」


セイラの顔を見れてちょっとほっとした。



「トモ君とは仲良くやってるの??」



そう聞くとにこにこしながら頷くセイラ。相手がホストでもね、友達には幸せになって欲しいって思ってる。