恋箱。





「ごめんなさい。本当は今17歳ですっ」


店長はやっぱり、と言う顔でアタシを見た。




「嘘つかれてたと思うと悲しいな?」



優しかった店長を悲しませてしまって……アタシは何にも言えなかった。




もしアタシの存在が警察にバレたら店長は逮捕されるしお店は営業停止。

そんな事わかってたけどバレないと思ってた。




「とにかく今日までだから」



そう言われて頷く。


泣きそうになるのをこらえながら、私物をまとめてお店を後にした。





それにしてもなんで???




アタシ誰かに恨み買うようなコトしたかなぁ???




いくら風俗とはいえ、ケンの為に頑張ってたのに。




とぼとぼ歩いて家についた。


いつもみたいにタクシーで帰る気にはなれなかったんだ。



「無職かぁ……」


タバコをくわえながら出るのは溜め息ばっかり。



口にすると急に不安になった。


多少の貯金はしてたけどほとんど飲み代で使っちゃってたし、仕事経験もなければ学歴もない。




そんな時、電話が鳴った。