恋箱。




こうしてアタシとコウキは一応?付き合う事になった。



といってもデートしたりする訳じゃない。

コウキは寮住まいの上、お店ではNo.1じゃないにしてもそれなりに売れっ子で多忙だから。




甘えた声でコウキから電話が来る。


「ねぇ~あや今日も逢いたいよ」



そう言われると断れずにお店に行ってしまうアタシ。決して安くない飲み代だったけどアタシはスタナイに通い始めた。




寂しい時間を埋めるように。




仕事が終わったらそのままスタナイ。

それが定番のコース。



たまに用事で行けない時はコウキの機嫌が悪くなる。




「ねぇアタシってなんなの?お店でしか逢えない彼氏なんておかしいよ」



そんな風に問いかけてみてもはぐらかされる。



コウキはよくキレるようになっていった。



あんなに優しかったのに、アタシは大金を払って楽しく過ごすハズの場所でいつも泣いてばかりいた。



それでもコウキはラストになると必ず帰ってくる。


「本命はあやだから」


結局それで納得させられるバカな自分がいた。