引いてくれる気配がないコウキに全部話した。 全てを聞き終えて、少しの沈黙の後……強く優しく紡がれる言葉。 「忘れられなくてもいいから付き合ってくんない?ってか俺が忘れさせてやるから!」 その甘い言葉を。 アタシは……断れなかった。 ケンが戻ってくるまでの間、寂しさを埋めてもらえるかもしれない。そんな甘い事……考えた。 コウキが狼の皮を被っていたなんて、全然気付かなかった。