恋箱。




ホントに書いてあったような給料が貰えるのかな?





「葵ちゃんならカワイイしきっと人気が出て稼げると思うよ」


「とりあえず一日体験入店してみる?それで決めよっか!」



店長の話術にすっかり引き込まれて……。





気がついたら「はい」と答えているアタシがいた。



ケンと暮らす夢が一気に現実味を帯びた気がしたんだ。









ケンは優しかったから。

葵のわがままをいつも聞いてくれてた。

絶対に怒らなかったケン。



だから体を張って二人の将来の為にお金を稼ぐのだって理由を言えばきっと分かってくれる。




そんな甘い考えでいたんだ。



ケンと一緒にいられるんだったら、アタシの体なんて安いものだって心から思ってた。