恋箱。






「この辺ってどっか泊まれるトコあるの??」


「ん~ラブホぐらいしか……ないかも。それじゃマズイよね??」





気を使ってくれるリュウジ。



普段から体を売って稼いでるアタシにこんな気を使ってくれるなんて……変な感じ。





今までのオトコだったら黙って今頃チェックインしてるよ?






「別にラブホでもいいけど??場所とかわかんないから運転してくれる??」


「俺もあんまり知らないんだけど……じゃあ走ってみる??」





リュウジは真面目な大学生って感じがした。


手馴れたオトコだったら家の近所のホテルぐらい把握してると思ったから。




初対面でアタシの印象が違くて困ってる風でもない。


ファミレスで思ってたより可愛いって言ってくれたし。





今まで周りにはいなかったタイプ。


よく言えば真面目、悪く言えば不器用。





「じゃあ、そこでもいい?」


車を少し走らせると一件のラブホの看板が見えた。







こうして初対面のアタシ達は、明日のディズニーに向けて一緒に泊まる事になったんだ。