恋箱。





そしてまた……免許を取る前と大差ない日々が始まった。



昼から仕事へ向かい、気に入られたのか増えた撮影の仕事をこなして、夜は「シアン」で飲む。



先生との時間があった事さえ忘れてしまいそう。


真面目に昼間の仕事に、なんてもうありえない。




忙しくして、全部忘れてしまいたかった。




「こんばんわ~」



その日も、ヒマな「シアン」の扉を開けるとアツシが一人掃除をしてた。




「あれ??川口は~??」




「なんかお客さん迎えに行ったみたいですよ」




そうなんだ。別にいいけど。




「あやちゃん最近どう??新しい彼とか出来た??」


「そんなすぐに出来るわけ無いじゃん??」


「前も言ったけどさ、本気でオレと付き合わない??」



?????



ってあれは……本気だったの???