恋箱。





また……戻ってしまった。



一応は前向きな決断。昼間の仕事に戻る事は前提とはいえ……。





いっぱい考えたんだよ?



今も毎日考えてる。



だけど、やりたい事が何も浮かばないんだ。




同世代の子は高校を卒業してそれぞれの夢に向かっているのに、立ち止まるコトしか出来ないアタシ。




そんな気持ち。


奈々さんにだけしか言えなかった。


奈々さんはアタシが決めた事を絶対に否定したりしないから。


若くして夢も持てない、やりたい事もない、そんなアタシでも抱きしめて笑ってくれる。



そんな彼女だったから、ホステスを辞め少し遠くに引っ越しても、お客さんに貰った中古のスターレットで語りに行く。




聞いて貰うと多少気持ちは楽にはなる。



もちろんそれは一時的なもので。解決の糸口は結局見えないままなんだけど。