恋箱。




先生の家はケンの家によく似た一軒家だった。それが余計に不安を募らせる。



幸い心配は的中せず……ご両親は留守のようで、二人で2階へ上がった。





「どうぞ~」


ベッドと本棚、机だけのシンプルな部屋。


「お邪魔……します」


「何か飲む??」



そう言われて頷くと昼からビールを持った先生が上がってきた。


それはお酒好きなアタシにはちょっと嬉しい事。


飲めない相手だと寂しいもんね。





「では葵の免許取得祝いに~」


「乾杯♪」



缶ビールが体に染み渡っていく。





一息ついてふと目をやると、本棚をごそごそしている先生が見えた。




何してるんだろう???



先生はビールでちょっと赤い顔をしながら一枚の写真を手渡した。