恋箱。





地元への帰り道。



「今日さ、家寄ってかない???」


不意に誘われた。


あれ???先生の家って実家じゃなかったっけ??


アタシなんかが行っても……いいの?




ケンの親が頭をよぎった。


アンタのせいで!!!またそう言われるのが不安で。


怖くてたまらない。




アタシのそんな態度には気付かずに先生は車を走らせた。久々に触れた温もりをワガママ言って失うような事はしたくなかったから何も言わずに従う。




先生はアタシの仕事を知らない。

水商売をしてた事がある、ただそれだけ。