恋箱。





せっかく彼氏が出来たって言うのに。


お盆休み中も先生は忙しく学校で用事があるとか。




一緒に泊まった翌日、アタシは自分のマンションに戻っていた。



仕事も無いし。



一人でいてもヒマだったから夜を待って「シアン」に顔を出した。



相変わらずお客の少ない店内。



「川口~久しぶり!!」

「あやちゃん久々じゃん!!免許は順調~??」

「へへっ。まぁね!!」




そんないつもの会話。いつもの無駄に広々したカウンター席に腰掛ける。



「ビールと鶏ポンね♪あ、川口も飲むでしょ??」



これはお気に入りのメニュー♪


川口の作る鶏ポン(……と言っても茹でた鶏肉ともやしをポン酢で和えるだけだけど)は絶品なのだ。




「あやちゃん何か機嫌いいじゃん??」



そう言われて嫌でも顔がにこにこしてしまう。



「分かる~実はね!自動車学校の先生といい感じなのさ」



テンションの高いアタシの一言に、川口の手が止まった。