その日、五月十九日は、何の変哲もない日だった。


夏の足音がすぐ傍で聞こえるぐらい、随分天気が良い。

半時間も歩けば、汗が滴り落ちてきそうな程、陽光が強かった。

幸い、彼女の家から学校までは徒歩で十分程度の距離である。

斜め前で動く、黒い影をしっかりと見据えながら、思う。


大丈夫。今日も、ちゃんと殺せている。