Witch and Vampire ―恋物語―

「もう、急にいなくなるから困ったよ。」

「すみません。少し歩こうと思ったら、道に迷ってしまって。」

ルークは何かを見透かすようにじっと見つめたが、何もなかったかのように微笑み、後ろを向いた。

「紹介するよ。我が学園の生徒会長だ。」

そこにはルークより少し身長が高く、ひょろっとしている男子生徒が。

髪は長めの真っ黒。

目も真っ黒で、銀縁の楕円眼鏡をしている。

ソラの第一印象は神経質そう、だった。

「はじめまして。4年のテイト・ディランだ。好きに呼べ。」

見た目とは裏腹に性格はさばさばしているらしい。

「彼は学園で一番の秀才でね。僕も色々と助かっているよ。」

「いえ、私はなにも。」

軽く微笑むディラン。

雰囲気がとても明るくなる。

すると、向こうにいた数人の生徒がディランに声をかけた。

「テイト会長!一緒にご飯でもどうですか?」

「すまない。学長と話があるんだ。また今度どうだ。」

「いつでも構いません!」

「すまない。」

どうやら、生徒からの信頼も厚いようだ。

顔も整っているので、よくモテるのだろう。

生徒会長としては申し分ない、といったところか。