鏡の前で自分の顔をながめながら直登は苦笑いした。


「こんな顔してたら何を言っても郁香に嫌がられてしまうだろうけど・・・もし、こんな僕のことが嫌いでなかったらこの書類を提出させてもらってもいいだろうか?」


「えっ・・・それは、出しそこなった婚姻届!?」


「だから、その・・・処分しきれてなかったというか、出したくて保管してたというか・・・つまりその・・・このまま僕の妻としてこの家にいてほしい。

会社はやばくなるかもしれないが、もしかしたら・・・君を養えなくて長月のところで働いてくれって言うことになるかもしれないが、そのときでも君は花司郁香として行ってもらえるかなって。」


「直登さん・・・。ええ、それでもいいわ。
どこででも稼いできてあげる!

花司郁香として家庭と会社を守るためならどんな苦労でも努力でもします!」


「郁香っ!!」


「な、直登さん、ダメだって・・・くっついたらまたひどくなっちゃう!!」


「いいんだ。君が気持ち悪がって逃げないのなら、僕は湿疹だろうが、痛みだろうがはね退けてやる!」



その後1時間ほど、直登の湿疹の見た目が薄くなるのを待って、2人は婚姻届を持って役所へと出かけたのだった。