孝彦はピシャリとドアを閉め、さっと郁香に近づくと郁香の顎をつかんで囁いた。
「花司直登は君の家族じゃない。
見せかけのセレモニーはやったかもしれないが、それじゃままごと遊びだ。
これから私が企画したドラマはノンフィクションだから覚悟してもらおう。」
「あなたいったい・・・何をたくらんでいるの?」
「たくらんでなんかいないよ。
ただ、私は君に恋をしたのさ。
私は妃家の長男だが、さっきの絵の女性とは血がつながっていない。
つまり、兄の立ち位置ではあるが、血を分けた兄ではない。
私は君のママが大好きだった。
大好きすぎて、心奪われてしまったんだ。
でも、もうあの絵の人は絵の中のままだ。
私は悲しみ、苦しみ、仕事一筋に打ち込んだ。
金儲けしたつもりはなかったけれど、気がつけば大会社になっていたという幸運の持ち主が私だった。
だが、何が幸運だったのだろうね。
そんなときだ。花司直登のオフィスを訪ねたときに再び心を奪われることになろうとはね・・・。
驚いて、その場を動けなかったくらいだよ。
私の女神が復活して私に助けを求めているように見えた。」
「そのときから私を誘拐するつもりだったの?」
「誘拐?何をバカな・・・。
君は私のところにいて然るべき人だ。
そしてもう、汚らしい年寄りのところではなく、私に守られて暮らすんだ。」
「何を言ってるの?おかしいわ。
それに私の両親は亡くなっていないわ。
いきなりじつのお母さんがって言われても私は知らない!」
「君は本当の親を知りたくなかったわけだな。
もし、知っていれば早くにいい生活ができていい学校にも入れたものを・・・ね。」
「過去のことを何といってももどってきはしないわ。
私は施設を出て以来、感謝って言葉を覚えたの。
今の私を形成してくれた親に感謝してるし、会社にいれてくれた直登さんに感謝してる。」
「感謝・・・いい言葉だね。
だけど、感謝だけでは愛は育めないものだよ。
君は健康な体を持った女性なんだから、愛を注ぎ込んでくれる男を受け入れ、自分で家族をつくって増やせばいいんだよ。
十分幸せになれるだろう?
そこでだ。私が君への愛をこれから十分すぎるくらいに味あわせてあげようっていうんだよ。」
「いらないわ。
与えられるだけの愛なんて・・・いえ、愛の押し売りおことわりよ!」
「押し売りねぇ。
だが・・・今夜その押し売りから君は愛を購入することになるよ。
ふふふ・・・。」
郁香の頭に最大音量で警報が鳴り響いたと思った途端、郁香はすぐに後ろへ下がると、リビングの椅子を掴んで振り回した。
「暴力はいけないな。
私が力自慢の部下を呼んで、君を取り押さえることになる。
そして、部下のいる前で君は私に抱かれる。
まぁ、その方が君は刺激的かな?」
「いや・・・近づかないで!」
孝彦が声のトーンをあげてドアの向こう側に控える部下に命令を言うのと同時に、郁香は窓ガラスに向かって椅子を投げていた。
ガシャーーーーン!!!
窓に走り寄ったが、ここは2階で近くに木も足場になるところもない。
それでも、孝彦と部下に押さえつけられるくらいなら・・・と窓枠に足をかけて外に出ようと試みた。
「やめろ、死ぬぞ。
死ななかったとしても、足は折れる。
逃げられないことはわかるだろう!
よし、おとなしく戻れば部下にはさがってもらう。」
「いやよ、あなたもさがって!
私を解放してくれるんじゃなきゃ、もどらないわ。」
「わ、わかった・・・。解放する。
だから、バカなことはやめるんだ。」
「じゃ、ここから出て行って。
私の許可なく、私に触れようなんてしたらその場で死んでやるから!」
「わかった・・・死んではいけない。
だが、この邸からは出さないからな。
逃げても敷地内で取り押さえられるのは間違いないからな。」
「とにかく部屋から出て行って!」
「くっ・・・」
孝彦はしぶしぶ部屋を後にして、中に入ろうとした部下も出るように指示を変更した。
「ふぅ・・・。どうしよう。
とりあえず、さがらせたけれど、今夜中にここから抜け出さないと部下に押さえつけられてきっと私は・・・。
ああ、イヤイヤイヤ!気持ち悪い想像したくない!
なんとかしなきゃ・・・。」
郁香は開いた窓から外を眺めながら、脱出する方法がないか必死で考えた。
「ここにはお布団もないし、飛び降りるのは無理だわ。
それに出られたとしても、敷地内をわかっていない私はどっちに逃げたらいいのかもわからない。
困ったわ・・・。
もうすぐ日が暮れてしまう・・・ああ、お話だったらこんな窓から夜空を眺めながら手をあわせて涙すれば王子様とか騎士様が迎えにきてくれるんでしょうに・・・。」
「花司直登は君の家族じゃない。
見せかけのセレモニーはやったかもしれないが、それじゃままごと遊びだ。
これから私が企画したドラマはノンフィクションだから覚悟してもらおう。」
「あなたいったい・・・何をたくらんでいるの?」
「たくらんでなんかいないよ。
ただ、私は君に恋をしたのさ。
私は妃家の長男だが、さっきの絵の女性とは血がつながっていない。
つまり、兄の立ち位置ではあるが、血を分けた兄ではない。
私は君のママが大好きだった。
大好きすぎて、心奪われてしまったんだ。
でも、もうあの絵の人は絵の中のままだ。
私は悲しみ、苦しみ、仕事一筋に打ち込んだ。
金儲けしたつもりはなかったけれど、気がつけば大会社になっていたという幸運の持ち主が私だった。
だが、何が幸運だったのだろうね。
そんなときだ。花司直登のオフィスを訪ねたときに再び心を奪われることになろうとはね・・・。
驚いて、その場を動けなかったくらいだよ。
私の女神が復活して私に助けを求めているように見えた。」
「そのときから私を誘拐するつもりだったの?」
「誘拐?何をバカな・・・。
君は私のところにいて然るべき人だ。
そしてもう、汚らしい年寄りのところではなく、私に守られて暮らすんだ。」
「何を言ってるの?おかしいわ。
それに私の両親は亡くなっていないわ。
いきなりじつのお母さんがって言われても私は知らない!」
「君は本当の親を知りたくなかったわけだな。
もし、知っていれば早くにいい生活ができていい学校にも入れたものを・・・ね。」
「過去のことを何といってももどってきはしないわ。
私は施設を出て以来、感謝って言葉を覚えたの。
今の私を形成してくれた親に感謝してるし、会社にいれてくれた直登さんに感謝してる。」
「感謝・・・いい言葉だね。
だけど、感謝だけでは愛は育めないものだよ。
君は健康な体を持った女性なんだから、愛を注ぎ込んでくれる男を受け入れ、自分で家族をつくって増やせばいいんだよ。
十分幸せになれるだろう?
そこでだ。私が君への愛をこれから十分すぎるくらいに味あわせてあげようっていうんだよ。」
「いらないわ。
与えられるだけの愛なんて・・・いえ、愛の押し売りおことわりよ!」
「押し売りねぇ。
だが・・・今夜その押し売りから君は愛を購入することになるよ。
ふふふ・・・。」
郁香の頭に最大音量で警報が鳴り響いたと思った途端、郁香はすぐに後ろへ下がると、リビングの椅子を掴んで振り回した。
「暴力はいけないな。
私が力自慢の部下を呼んで、君を取り押さえることになる。
そして、部下のいる前で君は私に抱かれる。
まぁ、その方が君は刺激的かな?」
「いや・・・近づかないで!」
孝彦が声のトーンをあげてドアの向こう側に控える部下に命令を言うのと同時に、郁香は窓ガラスに向かって椅子を投げていた。
ガシャーーーーン!!!
窓に走り寄ったが、ここは2階で近くに木も足場になるところもない。
それでも、孝彦と部下に押さえつけられるくらいなら・・・と窓枠に足をかけて外に出ようと試みた。
「やめろ、死ぬぞ。
死ななかったとしても、足は折れる。
逃げられないことはわかるだろう!
よし、おとなしく戻れば部下にはさがってもらう。」
「いやよ、あなたもさがって!
私を解放してくれるんじゃなきゃ、もどらないわ。」
「わ、わかった・・・。解放する。
だから、バカなことはやめるんだ。」
「じゃ、ここから出て行って。
私の許可なく、私に触れようなんてしたらその場で死んでやるから!」
「わかった・・・死んではいけない。
だが、この邸からは出さないからな。
逃げても敷地内で取り押さえられるのは間違いないからな。」
「とにかく部屋から出て行って!」
「くっ・・・」
孝彦はしぶしぶ部屋を後にして、中に入ろうとした部下も出るように指示を変更した。
「ふぅ・・・。どうしよう。
とりあえず、さがらせたけれど、今夜中にここから抜け出さないと部下に押さえつけられてきっと私は・・・。
ああ、イヤイヤイヤ!気持ち悪い想像したくない!
なんとかしなきゃ・・・。」
郁香は開いた窓から外を眺めながら、脱出する方法がないか必死で考えた。
「ここにはお布団もないし、飛び降りるのは無理だわ。
それに出られたとしても、敷地内をわかっていない私はどっちに逃げたらいいのかもわからない。
困ったわ・・・。
もうすぐ日が暮れてしまう・・・ああ、お話だったらこんな窓から夜空を眺めながら手をあわせて涙すれば王子様とか騎士様が迎えにきてくれるんでしょうに・・・。」

