結局9日後に2人は某ホテル内のチャペルで結婚式を挙げた。
彰登と優登はずっとムッとした表情をしていた。
「なんでこんな本格的なことをやっているんだ?」
「直にいがやりたかったらしい。」
「俺もやりたかったんだけどな。」
「俺もだ。」
「けどさぁ・・・そもそもは堂原学院対策の結婚だろ。
婚姻届だって実際には出してないらしいし、俺たちはゴッコ遊びに協力してるだけだよな。」
「まあな。お、噂をすれば堂原学院理事殿のおでましだ。」
香西は彰登を見つけて、薄ら笑いを浮かべて挨拶してきた。
「彰登、お互いに失恋組だな。
まさか、君の兄貴に彼女のハートを持っていかれるとは思ってなかったよ。」
「フン、うちの兄は包容力があるし、根っから優しいからな。
それに社長で俺とルックスも似てるだろ。
本来、女の方が放っておかない男さ。」
「へぇ、兄弟仲がいいんだね。
けど、聞いた話では、お兄さんは女性アレルギーがあるんじゃなかったかな。
触れたらじんましんとか湿疹が出るってきいたけどね。」
「そうなんだがね、郁香は特別なんだ。
彼女にはアレルギー症状は出ない。つまり特別の女ってことだ。」
「都合のいいアレルギーなんだね。
まあ、うちは男子校だからお兄さんにとってはやりやすいだろう。
ああ、噂になってるかもしれないが、僕は他人のものになった女性には興味を示さないんだ。
だから、郁香さんにも安心して仕事してもらえると思う。」
「そうか。君は美人で独身女性オンリーだったな。
せいぜい、いろんなところでがんばって。」
「ああ。がんばるよ。
いまだに僕の趣味を掲げながら恋人募集中の君たちもがんばれよ。」
「ああ。心配ない。」
彰登たちがそんな会話を交わしていることも知らない直登と郁香はそろそろ緊張も最高潮に達していた。
誓いのキスを前にお互いがぎくしゃくした動きをしているほど。
「ではおふたりの門出に誓いのキスを・・・お願いします。」
「郁香!?怖かったら目をつぶっているだけでいいよ。
軽くすませるから。」
「う、ううん。大丈夫です。
遠慮なく、やっちゃって・・・くださ・・・あっ・・・ああっ!」
郁香は目をつぶる前に緊張から、靴のヒールのバランスを失って前へつんのめってしまった。
思わず、直登は倒れてくる郁香を受け止めたはいいが、直登も緊張して勢いよく唇を郁香の唇に押し付けた。
舌こそ入れなかったものの、傍から見ればかぶりついているかのような激しいキスに会場はこじんまりながらも歓声があがったほどだった。
「ご、ごめん・・・体は受け止めたけど、なんかはずかしいことになってしまって。」
「もう済んでしまったことなんだもん。言わないでよ。」
郁香は済んでしまったこと・・・と言葉にしたものの、控室にもどってからキスのことを思い出してしまうと体が動かなくなって、結婚式後に挨拶をする予定であったのに遅れてしまったのだった。
「ごめんなさい、遅れちゃって・・・」
「おぉ、大丈夫か?もうちょっと遅かったら、倒れてるんじゃないかと様子を見にいくつもりだったよ。」
「心配かけちゃって・・・。
でも、こんなにたくさんの人にきてもらってすごく感激したわ。」
「そうだね、君は孤独なんかじゃないんだ。
社内外でもこんなに祝いたいと思ってくれる人がいるんだからね。」
「うん、すごくうれしい。・・・あ・・・だけど、この人たちに婚姻届のこととか後に嘘の離婚をするとかってとても言えない。心苦しいの。」
「じゃ、披露宴だけとりやめであとはきちんとすべて本当に結婚する?」
「直登さんはいいの?戸籍が・・・」
「僕は郁香が決めたとおりに従うよ。
こんなおっさんに嘘でもほんとでも嫁いでくれるなら大歓迎だ。
もちろんこれは、郁香限定だがね。」
「そんな・・・私も直登さんが旦那様でよかったと思ってるわ。
私みたいにいろいろできない女にこんなによくしてくれて・・・うれしい。」
「郁香・・・。(うう、なんてかわいいこと言うんだ。
すぐにでも手をひいてベッドにいきたいくらいだ。)」
2人の心の間の距離を縮めるように、仲睦まじく最後の客に丁重に挨拶をすませて結婚式が終わってみると夕方近くになっていた。
さすがに空腹と疲れとで2人はへとへとになっていた。
直登はタクシーを呼んで郁香を先に家へもどるように指示をした。
「疲れたろう。僕は弟たちともうちょっと整理することがあるから藤子さんと先にもどって先に休んでいてくれ。
そんなに時間はかからないし、僕もお腹がぺこぺこだから藤子さんにどっさり作ってもらっておいてくれ。」
「わかったわ。じゃ、先にもどるね。」
彰登と優登はずっとムッとした表情をしていた。
「なんでこんな本格的なことをやっているんだ?」
「直にいがやりたかったらしい。」
「俺もやりたかったんだけどな。」
「俺もだ。」
「けどさぁ・・・そもそもは堂原学院対策の結婚だろ。
婚姻届だって実際には出してないらしいし、俺たちはゴッコ遊びに協力してるだけだよな。」
「まあな。お、噂をすれば堂原学院理事殿のおでましだ。」
香西は彰登を見つけて、薄ら笑いを浮かべて挨拶してきた。
「彰登、お互いに失恋組だな。
まさか、君の兄貴に彼女のハートを持っていかれるとは思ってなかったよ。」
「フン、うちの兄は包容力があるし、根っから優しいからな。
それに社長で俺とルックスも似てるだろ。
本来、女の方が放っておかない男さ。」
「へぇ、兄弟仲がいいんだね。
けど、聞いた話では、お兄さんは女性アレルギーがあるんじゃなかったかな。
触れたらじんましんとか湿疹が出るってきいたけどね。」
「そうなんだがね、郁香は特別なんだ。
彼女にはアレルギー症状は出ない。つまり特別の女ってことだ。」
「都合のいいアレルギーなんだね。
まあ、うちは男子校だからお兄さんにとってはやりやすいだろう。
ああ、噂になってるかもしれないが、僕は他人のものになった女性には興味を示さないんだ。
だから、郁香さんにも安心して仕事してもらえると思う。」
「そうか。君は美人で独身女性オンリーだったな。
せいぜい、いろんなところでがんばって。」
「ああ。がんばるよ。
いまだに僕の趣味を掲げながら恋人募集中の君たちもがんばれよ。」
「ああ。心配ない。」
彰登たちがそんな会話を交わしていることも知らない直登と郁香はそろそろ緊張も最高潮に達していた。
誓いのキスを前にお互いがぎくしゃくした動きをしているほど。
「ではおふたりの門出に誓いのキスを・・・お願いします。」
「郁香!?怖かったら目をつぶっているだけでいいよ。
軽くすませるから。」
「う、ううん。大丈夫です。
遠慮なく、やっちゃって・・・くださ・・・あっ・・・ああっ!」
郁香は目をつぶる前に緊張から、靴のヒールのバランスを失って前へつんのめってしまった。
思わず、直登は倒れてくる郁香を受け止めたはいいが、直登も緊張して勢いよく唇を郁香の唇に押し付けた。
舌こそ入れなかったものの、傍から見ればかぶりついているかのような激しいキスに会場はこじんまりながらも歓声があがったほどだった。
「ご、ごめん・・・体は受け止めたけど、なんかはずかしいことになってしまって。」
「もう済んでしまったことなんだもん。言わないでよ。」
郁香は済んでしまったこと・・・と言葉にしたものの、控室にもどってからキスのことを思い出してしまうと体が動かなくなって、結婚式後に挨拶をする予定であったのに遅れてしまったのだった。
「ごめんなさい、遅れちゃって・・・」
「おぉ、大丈夫か?もうちょっと遅かったら、倒れてるんじゃないかと様子を見にいくつもりだったよ。」
「心配かけちゃって・・・。
でも、こんなにたくさんの人にきてもらってすごく感激したわ。」
「そうだね、君は孤独なんかじゃないんだ。
社内外でもこんなに祝いたいと思ってくれる人がいるんだからね。」
「うん、すごくうれしい。・・・あ・・・だけど、この人たちに婚姻届のこととか後に嘘の離婚をするとかってとても言えない。心苦しいの。」
「じゃ、披露宴だけとりやめであとはきちんとすべて本当に結婚する?」
「直登さんはいいの?戸籍が・・・」
「僕は郁香が決めたとおりに従うよ。
こんなおっさんに嘘でもほんとでも嫁いでくれるなら大歓迎だ。
もちろんこれは、郁香限定だがね。」
「そんな・・・私も直登さんが旦那様でよかったと思ってるわ。
私みたいにいろいろできない女にこんなによくしてくれて・・・うれしい。」
「郁香・・・。(うう、なんてかわいいこと言うんだ。
すぐにでも手をひいてベッドにいきたいくらいだ。)」
2人の心の間の距離を縮めるように、仲睦まじく最後の客に丁重に挨拶をすませて結婚式が終わってみると夕方近くになっていた。
さすがに空腹と疲れとで2人はへとへとになっていた。
直登はタクシーを呼んで郁香を先に家へもどるように指示をした。
「疲れたろう。僕は弟たちともうちょっと整理することがあるから藤子さんと先にもどって先に休んでいてくれ。
そんなに時間はかからないし、僕もお腹がぺこぺこだから藤子さんにどっさり作ってもらっておいてくれ。」
「わかったわ。じゃ、先にもどるね。」

