…最悪だ。
携帯を忘れてきたらしい。

もうなんなのだろうか。
今行けば、まだあいつがいるだろう。

そう思うとどうしても、
あの好きな夕焼けの放課後に行けなかった。

「マリ!
 よかった。はいこれ!」

今一番聞きたくない声が
聞こえた。
あたしの携帯とともに。