「残念ながら、もう助からないでしょう。
 今日が峠です」

「なんでよ、慎哉!
 なんで教えてくれなかったのよ!
 なんで……なの……」

残酷なほどにまで響く
医者の声。
こんなにも響く声はない。

そしてこんなにも、
聞きたくない話もない。

好きだったのに。
大好きだったのに。