顔の赤みも引いた柏木君が、こっちを向いた。


「今回はありがとうな」

「あたしは何もしてないから」

あたしはただシールドを張っただけ。魔法が間に合って良かった。


「また勝負してくれよ。…次は絶対勝つから」



その言葉を聞いて、あたしは不敵な笑みを浮かべた。




「勝負?いくらでもしてあげる。


あたしは絶対に負けないけどね?」





すると、柏木君はフッと笑った。


「……臨むところだ」




それを見ていた美玲の声がした。


「はいそこ、イチャイチャしないでくださーい」

耳を疑った。

「え!?イチャイチャ!?どこがイチャイチャなの!?全然そんなことしてないよ!?大体なんでこんな人とイチャつかなきゃいけないのよ!」


絶対嫌だよ!?こんな意味不明な人とイチャつくなんて!

イチャつかないと天地がひっくり返るとか、地球が滅亡するとか言われたって嫌だよ!?断固拒否だよ!


「だって、翔太。ドンマイ♪」

「だからうるせぇ」

二人が謎な会話をしていたけど、あたしにはよく分からなかったので、気にしないことにした。