「″アイスボール″」


今度は氷の塊が飛んできた。


あたしは浮かんだまま、それを軽々と避ける。


さっきから氷系統の魔法しか使ってこない…ということは、この人は氷系統の魔法使いか。


そしてそんな彼を応援する声援が、あたしの集中力を切らせるのが目的なのかとも思ってしまうほどの大きさで競技場に響き渡る。

その声が耳にこびりつく。

嫌だな、この感覚…


この戦いが始まってからずーっと女の子が叫んでるの。


「「「「キャアアアア‼‼」」」」


こんな黄色い悲鳴でね。


本当にどこかの王子様?って感じ。


氷系統の魔法使いだから…氷の王子様ってとこ?


じゃあ柏木翔太=氷の王子様ってことで決定だね♪



氷の王子様…よく見ていてよね?


ここからはあたしの反撃。




「″解除″」


あたしはフライの魔法を解除して地面に降り立つ。