「……分かった」


あたしが言うと、隊員達は微笑んだ。

辛そうに、微笑んでいた。


湧き出てくる胸の痛みを心の奥底へと必死で仕舞い込んだ。



「…千沙さん、美玲、雅人。



…行くよ」


あたしが今すべきこと。

それは、サファイアを倒すこと。

そうだよね…?



「はい」


千沙さんはいつものように静かに返事をした。



「え?」
「で、でも!」


雅人と美玲は驚きを隠せないようで、あたしと前線で戦っている隊員達とを見比べた。



「行くよ」



あたしが再度言うと、二人は後ろ髪を引かれつつもこの戦場を後にした。


戦場を後にする際、視界の端に映った隊員達の苦しそうな顔が、あたしを余計に苦しめ、罪悪感を植え付ける。

それでも、あたしは行くしかないの。

あたしがすべきことをするために。

何を犠牲にしても、助けなくちゃいけないと何かが訴えかけてくる。

何となく分かるの。翔太を助けなきゃ、この先ずっと後悔するって。


大丈夫だよね、隊員達なら。

だって"ガーネット"の仲間なんだもん。

そうでしょ…?


だから…どうか、生きて。




あたしは心の中で祈った。