「「「「"シールド"!」」」


あたしの前に、巨大なシールドが現れた。思わず圧倒される。

って…

「え?」

目の前には、あたしの大好きな"ガーネット"の隊員が3人。


「由良さん、ここは俺たちが食い止めます」

「…何、言ってるの?」

隊員の行動言動全てが理解できない。


「ここは俺たちがどうにかしていますから、由良さんは早くサファイアの元へ行ってくださいっ」

別の隊員が言った。


「でも!」

置いていけるわけないじゃない!みんなはあたしが大好きな仲間たちなんだよ!?


「由良さん、しっかりしてください!いつもの由良さんらしくありません!

いいですか由良さん!これは実践練習じゃないんですよ、本当の戦いなんです!!」

「そうです。それに、サファイアを倒せるのは由良さんしかいないんです!

由良さんが倒れてしまったら、一体誰がサファイアを倒せると言うのですか!」


「そ、そうだとしても…」

「…ぐっ!!」

隊員達はもうすでに魔力を吸い取られているらしく、力が抜けていくのが目に見えて分かった。


「…は、早く…早く行ってください…っ!」

「お、俺たちの魔力が残っているうちに…っ」

「さあっ!」


魔力が吸い取られ、それに伴い体力も失っている隊員達は、きっと立っているだけでも辛いだろう。

それなのに、それを承知しているはずなのに、身を挺してシールドの魔法であたしを守ってくれている。

きっと、あたしがここを離れて行くまでずっと守ってくれているんだろう。


皆は、優しすぎるから…


それならいっそ、彼らがもっと辛くなるその前に…




そうだよ、あたし。

何してるの、しっかりしなきゃ。

お父様のような当主になるって決めたでしょ…?


あたしは自分の拳を固く握りしめた。