皆の方に微笑みかけると、何人か鼻血を出したり倒れたりした。


ちょ、戦う前から大丈夫!?

あー、なるほど。皆さん美玲の可愛さにやられましたな。

確かに美玲は本当に綺麗だけどさ。

今そんなことしてる場合じゃないでしょ?

全くもう。


そう思っていると、隊員達が近づいて来た。頬を赤く染めて。


「どうかした?」

微笑みを含んだ顔で尋ねると更に顔を赤くしたようだ。

急にどうした?
まぁいいや。

「俺、由良さんの為なら、どこだろうが1番に駆けつけます!」

「大好きな由良さんのためなら、俺…」

「おい!ずるいぞ!」

「抜け駆けは無しって話だったろ!?」

…何で喧嘩するかなー?

理由は分からないけど。


皆さん…ちゃんと分かっていますでしょうか…こんなにもほのぼのしているけれども、今から戦うんですよ!?

それも、このとんでもなく強い魔力を持つ相手と!!

本当はこんな風にほのぼのしている場合じゃないんですぞ!?


それなのにどうして今のこのタイミングで喧嘩なんてするかなあ?


「……いい加減にしようか?」

思わず呟いてしまった。

皆の顔から一斉に血の気が引き、ブルブルと震え出していた。

…そんなに怖かったのでしょうか?