「ありがとう」

嬉しくて心から感謝の気持ちを伝えた。

翔太は顔を赤くして「おやすみ」と部屋を出て行った。


どうしたんだろうね?

急に顔を真っ赤にするなんて…

そんなにこのお粥を作ってる時、熱かったのかな?


一口掬って冷ましてから口に運んだ。

「…美味しい」

すごく、美味しかった。

とても優しい味がした。


あたしが寝起きだったし、それに体力もなかったから、きっと体に良いものを、と考えて作ってくれたんだろうな…

それも、あたしが起きるまで自分も起きていてくれて。

こんなに美味しい卵粥作って待っていてくれてさ。


だけど、それがあたしにバレるのが恥ずかしいから、ぶっきらぼうな態度を取って照れ隠ししてたんだよね?


本当に優しいね…

それで、誰よりも照れ屋。



「ありがとう、翔太…」


あたしは翔太の部屋の方に向かって呟いた。