「あぁ。千沙さんが電話に出てくれたけどな」

ち、千沙さん!?

よりもによって千沙さんですか!?

じょ、冗談じゃない…

あたし怒られちゃうよ!!

あれだけ千沙さんから『この魔法を取得しようなんて無謀なことはしないでくださいよ』と言われていたのに…!


千沙さんが怒ったら結構怖いんだよね…

あぁ、次に会うのが怖い…


「おい、由良?」

「ふぇっ!?」

「もう大丈夫なのか?」

空色の綺麗な青い瞳が心配だと言っている。

「大丈夫だよ。心配かけてごめんね?」

体力も魔力も、完全とは言えないけれど8割方復活してる。

いやー、睡眠って大事っすね!

うんうんと頷いた。

「……」

え、ちょ、何でそこで顔を逸らすのさ!

意味が分からないんですけど!


「…これ、食べとけ。帰ってから何も食べてねぇだろ?」

翔太がお盆を机の上に乗せてくれた。

「わぁ、卵粥だ!美味しそう…」

美味しそうに湯気が立っている。

「翔太が作ってくれたの?」

「…黙って食べろ」

顔が赤い…

これ、翔太が作ってくれたんだ…

あたしのために。

それも、もう夜の2時で、翔太だって疲れているだろうし眠いだろうに…