もし、そのことで"サファイア"と揉めたりしちゃったら…

そんなの嫌!絶対に嫌!



だが、とお父様は話を続けた。


「私の代理として千沙に行ってもらった」

う、嘘でしょう…?


「千沙さんが…?会いたかった!」

千沙さんが会場にいたなんて…


人が多すぎたこともあり、パーティ会場では千沙さんを見つけられなかった。

それにあたし、途中からパーティを抜け出して庭園散策していたし。


それにしても見たかった、千沙さんのドレスアップ姿!


だって、あのクールビューティ千沙さんだよ!?絶対綺麗に決まってるよね!!

むしろ、綺麗じゃないはずがない!

亜ぁ、1枚でもいい。写真に納めたかった…


「それにしても、サファイアとガーネット様にそのような過去があったとは…」

あたしが昨日見た映像は、若かりし頃のガーネット様とサファイアの記憶。


サファイアの辛い記憶…


今のあたしは、サファイアに共感できる部分もある。

今のあたしとあの頃のサファイアは、少しだけ状況が似ているから。


好きな人にもう自分の気持ちが届かない辛さなんて…痛いほど分かる。

それでも好きな人の幸せを願う心の痛さも…すごく分かる。


だからって、今やっている行為を許す気はないし、認める気だってない。

まぁ、これが動機なのかどうかは分からないんだけれどね。