風が止み、そっと目を開ける。

「うわぁ…」

思わず声が漏れた。


目の前に広がるのは、まるで映画の世界のように華やかな空間だった。


天井には豪華できらびやかなシャンデリア。

床には蒼い絨毯が敷き詰められている。

そして壁や柱は大理石だろうか、とても高級そうだ。


こんな華やかな場所に、あたしがいるなんて…


そして、大勢の人、人、人!


何人か、知っている人もいた。

他の魔物退治屋のご当主さんとか、仕事でお世話になった人達。

それからどこかの財閥やらグループやらの社長さんなんかも大勢いらっしゃるようだ。

元有名貴族の方々も大勢いらっしゃるのが確認できる。


あ、そうだ、目!

目をどうにかしなきゃ!


あたしのこの紅の瞳は、ガーネット様の血を引く者であることの証であり、この瞳の色を持つのは"ガーネット"の者だけ。

だから、すぐにあたしが"ガーネット"の者だとすぐにバレてしまう。

この会場にいる人であれば、すぐに感づいてしまうだろう。

でも、あたしが"ガーネット"の娘であることは内緒。絶対秘密。トップシークレット。


このことは何としてでも隠し通さねば…


「"カラー"」

あたしは小声で自分に魔法をかけ、瞳の色を変えた。


これで大丈夫なはず…