説明し終わると、翔太は少しだけ不機嫌そうだった。

どうしたのかな、と不安に思っていると、

「で、お前はその番号に電話するつもり?」

よく分からないことを聞いてきた。


「え?するわけないでしょ?知らない人だもん」

知らない人には関わらないこと、ってお父様と千沙さんに叩き込まれたしね!


「…そうか」

翔太はなんだか嬉しそうだった。


よく分からないけど…翔太が笑ってるなら、まぁ良いか。


「帰るぞ」

「あ、うん」


病院の外へ出ると、今日も気持ちがいいくらい晴れ渡っている。


「あれに乗るから」

翔太が指さしたのは、馬車のような乗り物。

ただし、馬じゃなくてユニコーン。


これは、この国のタクシーなんだ。

ユニコーンが走るので、地面じゃなくて空を飛ぶんだよ。


「え?瞬間移動じゃないの?」

そっちの方が速くて安くて便利だよね?


「そんなわけないだろ」

「へっ!?なんで?」

あたしが聞くと、翔太は溜息をついた。


「当たり前だろ?…お前な、自分の状況分かってねぇの?」

「え?あたし?あたしはすっごく元気だよ?」

ピンピンしてます!