肝心の王子様はというと、女の子たちの黄色い悲鳴を浴びて不機嫌そうなのですが…


昨日は学校があった日だから制服着てたんだけど、今日の翔太は私服。

そういえば、今日は学園は休みだって言ってたっけ…


翔太の私服…

初めて見たかも…


青と白のストライプのワイシャツに、白いVネックの清潔感溢れるセーター。

シンプルな黒のタイトなズボン。

いかにも優等生、というようなファッションが似合いすぎている。


翔太かっこよすぎ…


「ほら帰るぞ」

「あ、うん」

つい、翔太に見とれてしまった。

本人目の前にして何してんだ、あたし。

いつもの由良に戻らなくては…!



「何だ?その荷物は」

「あぁ、これ?何だかよく分からないんだけど、もらったの」

「誰に?」

「お医者さん?」

「何で疑問形なんだ?」


あたしは、経緯を説明した。


翔太が到着する前…なぜか顔を真っ赤に染めたお医者さん数人から花束やお菓子の詰め合わせをもらったんだ。


不思議なことに、もらった花束やお菓子の詰め合わせには全てに名刺が入っていたんだよね。それも、電話番号付きで。


しかも、それが小児科の方だったり外科医の方だったりするんだよ?

あたしはお世話になってないのに、なんで花束を渡してきたんだろうね?


まぁ、お花やお菓子は大好きだから嬉しいんだけど。