ふと時計を見ると、面会時間を過ぎていた。


翔太…面会時間のギリギリまでいてくれたんだ…


そう思うと、嬉しくて心がポっと温かくなるようだった。



今気づいたけど…あたしの病室は一人用で、病室にはあたししかいない。


もしかして…あたしが寂しくないように、面会時間ギリギリまでいてくれたのかな…?


だから、美玲達と一緒に帰らなかったのかな…?




きっと…いや、絶対そうだよね。


翔太は不愛想に見えて、実は誰よりも優しいから…


明日も迎えに来てくれるって言ってたしね…


そう思うと愛しくてたまらない。

好きって気持ちが風船のように膨れていくのが自分でも分かった。


感情が抑えきれなくなって、思わず、


「ありがと…翔太…」


あたしは静かな病室で呟いた。