楓花さんが、あたしのいる病室の出入り口のところに立っていた。
あたしの心臓は、翔太に対する甘い気持ちとは別の理由で、また心拍数を増す。
嫌な胸の痛みが走る。
なんで、いるの…?
いや、来てもらえることはありがたいよ?でもね、今は顔を見たくなかったよ…
こんなことを考えている自分も嫌になるんだけど…
「…気分はいかがですか?」
楓花さんは、とても心配だ、というように聞いてきた。
その姿さえも美しく気品が漂っていて、到底敵わない相手だと感じざるをえなかった。
「あ、大丈夫です」
ありがとうございます、とできる限りの笑顔を作った。
心から言えない自分が嫌になる。
どうしてこうも、あたしは嫌な人間なんだろう…
「これ、ケーキです。良かったら食べてください」
「わぁ、ありがとうございます!」
あたしは笑顔でケーキの箱を受け取った。
自然に、自然に。不自然にならないように。そう思いながら。
楓花さんに圧倒されて手が震えないように気を付けながら。
「由良ちゃん、ごめんなさい」
いきなり謝られる。
「へっ!?え、あの、えっ、ぇえっ!?」
頭を下げられたあたしはどうしたらいいか分からなくてアタフタしてしまった。
「なっ何がですか!?」
あたしは訳が分からず尋ねる。
「由良ちゃんに対して失礼なことを言ってしまったから―――――」
あぁ、そのことか…
本当に申し訳ないという様子でまた謝られた。
あたしの心臓は、翔太に対する甘い気持ちとは別の理由で、また心拍数を増す。
嫌な胸の痛みが走る。
なんで、いるの…?
いや、来てもらえることはありがたいよ?でもね、今は顔を見たくなかったよ…
こんなことを考えている自分も嫌になるんだけど…
「…気分はいかがですか?」
楓花さんは、とても心配だ、というように聞いてきた。
その姿さえも美しく気品が漂っていて、到底敵わない相手だと感じざるをえなかった。
「あ、大丈夫です」
ありがとうございます、とできる限りの笑顔を作った。
心から言えない自分が嫌になる。
どうしてこうも、あたしは嫌な人間なんだろう…
「これ、ケーキです。良かったら食べてください」
「わぁ、ありがとうございます!」
あたしは笑顔でケーキの箱を受け取った。
自然に、自然に。不自然にならないように。そう思いながら。
楓花さんに圧倒されて手が震えないように気を付けながら。
「由良ちゃん、ごめんなさい」
いきなり謝られる。
「へっ!?え、あの、えっ、ぇえっ!?」
頭を下げられたあたしはどうしたらいいか分からなくてアタフタしてしまった。
「なっ何がですか!?」
あたしは訳が分からず尋ねる。
「由良ちゃんに対して失礼なことを言ってしまったから―――――」
あぁ、そのことか…
本当に申し訳ないという様子でまた謝られた。