『あたしが、こわくないの…?』


遠慮がちに聞くと、男の子はコクンと頷いた。


『でも、あたしの魔力のせいで、怪我しちゃうかもしれないんだよ…?』

『そしたら、ぼくがなおすよ!』

『え…?』

『ぼく、けがをなおす魔法はとくいなんだよ!』


相変わらず男の子はニコニコ笑ってる。

『一緒にあそぼう!』


手を差し出してくれた。

あたしがゆっくりその手を掴むと、ニコっと笑ってくれた。

あたしもその笑顔をみて、少し笑った。


『あ!やっと笑ってくれた!』

本当に嬉しそうな顔をしている。



『君のなまえは…?』


あたしが聞くと、男の子は言った。



『ぼくのなまえは、しょうた。



かしわぎしょうた!』




それから帰ってきた千沙さんとも一緒に遊んだ。


『バイバイゆらちゃん!』

『バイバイ!』




『また遊ぼうね』


そう言って手を振りあったけど、それ以来一度も遊ぶどころか、
会うこともなかった―――――