それから数十分経った。

一向に代わってくれる気配はない。


今思えば、1時間以上もブランコに乗り続けて飽きない彩ちゃんも凄いとも思う。

でもあの時のあたしは、彩ちゃんが順番を代わってくれないことに対して、少し苛立っていた。


あたしもとうとう痺れを切らし、彩ちゃんに言った。


『彩ちゃん、代わって…?』


けれど彩ちゃんはあたしを無視してブランコに乗り続けた。


『代わってほしいな…』

もう一度勇気を振り絞った。


『まだダメだよ』


彩ちゃんは楽しそうに言った。

それはブランコに乗っていることが楽しくて嬉しそうに言ったのだろうけど、その時のあたしには嫌みにしか聞こえなかった。


一時間以上待ち続けたのに、まだダメだよって…あたしはいつまで待てばいいの?


そう思うのと同時に、あたしの魔力は制御不可能となる。


あたしの魔力はその当時から子供ながら強大なものだと言われていた。

どれくらいかというと、その時の魔力だけで簡単にSC4になれるくらい。


あたしは何もせず、というよりは、何もできないまま、ただただ感情に身を任せていた。